社債管理業務システム構築
社債契約数11,726件
複雑な契約情報を一元管理
累積社債種類3,520種類
多様な条件・ルールに対応
社内利用者数103人
担当部門から営業まで活用
紙とExcel、担当者の経験に依存していた社債管理業務を、11,726件の契約と3,520種類の社債を扱える社内システムへ再構築した事例です。既存ツールに業務を合わせるのではなく、複雑なビジネスルールそのものを解きほぐし、組織で共有できる仕組みに変えました。
最大の課題は、仕様書が存在しないことでした。長年の運用で蓄積された判断基準は担当者の中にあり、画面を作る前に業務を言語化する必要がありました。システム開発と同時に、業務の再設計に取り組んだプロジェクトです。
プロジェクト概要
業種:社債関連業務(業務システムDX)
支援内容:業務分析・要件定義、社債管理システムのスクラッチ開発、紙・Excel業務の統合、社内権限設計
課題と背景
ご依頼いただいたお客様では、社債に関する複雑な契約と管理業務を、一部の経験豊富な担当者が担っていました。業務マニュアルが十分に整備されておらず、「誰が、どの条件で、何を判断するか」が組織の知識として共有されていませんでした。
契約情報は紙とExcelを中心に管理され、重複入力、更新漏れ、ファイルの所在確認など日常的なリスクが存在していました。ノーコードツールも試しましたが、社債特有の複雑なルールや例外に柔軟に対応できず、運用に合わせた拡張が難しい状態でした。
必要だったのは、既存の作業をそのまま画面に置き換えることではありません。担当者の暗黙知を丁寧に引き出し、業務ルールを整理したうえで、誰もが同じ基準で安全に扱える社内基盤へ再構築することでした。
- マニュアル不足と特定スタッフへの業務の属人化
- 紙とExcelを中心とした管理上のリスク
- 複雑なビジネス要件に対するノーコードツールの限界
EFGのアプローチ
暗黙知を要件として言語化
担当者へのヒアリングと実際の帳票・作業確認を重ね、判断条件や例外処理を一つずつ整理。何となく継承されていた業務を、再現できるビジネスルールとして定義しました。
限界のないスクラッチ開発を選択
EFG独自のPythonフレームワークを基盤に、既製ツールでは表現しきれない契約・社債・進行状態の関係を専用システムとして実装。将来のルール変更にも対応できる柔軟な構造を採用しました。
部門を越えて使える社内基盤へ
社債業務担当だけでなく、営業担当を含む関係者が必要な情報を参照・活用できる権限と画面を設計。個人が抱えていた情報を、安全に共有できる組織の資産へ変えました。
成果
11,726件の社債契約と3,520種類の累積社債を一元管理し、103人の社員が活用する業務基盤が完成しました。複雑なルールをシステム化することで、特定担当者に依存せず、同じ情報と基準で業務を進められます。
- 11,726件:システムで管理する社債契約数
- 3,520種類:累積社債種類
- 103人:社内利用者数
導入後に変わったこと
契約情報の所在や最新版を探す時間が減り、担当者は一つのシステム上で必要な情報を確認できるようになりました。判断ルールが仕組みに組み込まれたことで、引き継ぎや教育も行いやすくなっています。
営業を含む関係者が適切な範囲で情報へアクセスできるため、担当部門への問い合わせや確認の往復も減少。属人化の解消だけでなく、部門を越えて業務を支える共通基盤になりました。
継続的な支援
社債管理のルールや社内業務は、制度や組織の変化に合わせて更新されます。公開時点の要件を固定するのではなく、変更を安全に取り込めることが重要です。
EFGは現在も、運用から生まれる要望を整理し、機能拡張を継続的に支援しています。複雑な業務を理解するパートナーとして、社内基盤を育てています。